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相続財産に「国債」が含まれる場合の遺産分割など。
こんにちは。
司法書士海埜です。
今日は、相続財産の中に国債が含まれる場合の手続きです。
国債は、身近な投資方法として古くから浸透しているので、親や祖父母が保有しているケースは少なくありません。どのような手続きが必要でしょうか。
はじめに概要を言うと、国債の場合でも、手続き的には現預金とさほど違いはありません。ざっくりですが大きな流れとしては①遺産分割後に②金融機関に所定の相続手続依頼書を提出するということになるはずです。
国債とは、国が発行した債券で、国が利子および元本の支払を行うものです。 国債には様々な種類がありますが、個人に販売されているのは専ら、個人向け国債。そして、固定金利付国債です。
個人向け国債は額面1万円から講入でき、発行から一定期間経過すれば中途換金が可能です。3年固定金利型と5年固定金利型と10年変動金利型があります。
また、固定金利付国債は額面5万円で2年満期、5年満期、10年満期などの種類があります。
国債を購入するときは銀行、証券会社などの金融機関で購入します。国債を購入したい人は金融機関に国債専用の口座を開設します。昔は、債券(証券)が発行されていましたが、現在はペーパーレス化されたため、国債は金融機関の口座記録によって管理されています。
国債は相続の対象となりますが、可分債権ではありません。可分債権でないということは、例えば一台の自転車を共同購入したAとBが、売主に対して持っている自転車引渡請求権と同じです。つまり、各相続人がバラバラに金融機関に請求することができないのです。
だから遺産分割協議が確定するまでは各相続人は潜在的な持分を有するにすぎません。
このことは、最高裁平成26年2月25日判決が、法令上、1単位未満での権利行使が予定されていないことを理由に「個人向け国債は、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない」としていることからも読み取れます。
遺産分割の方法としては、特定の相続人が国債を取得し名義変更を受ける方法、換価した上で換価金を分配する方法が考えられます。
いずれの方法による場合も、金融機関に対して相続手続依頼書(金融機関によって名称は違うことがあります。)を提出して行います。
現物分割の場合には遺産分割協議書、遺産分割調停調書、審判書、遺言書によって 遺産分割方法が確定していることが必要です。
その場合には、国債を取得する相続人が相続手続依頼書を提出することになります。
また、名義変更を受ける者は金融機関に国債の口座を作る必要があります。
また、国債を換金して売却代金を分割する場合には、その旨記載した相続手続依頼書を相続人全員で作成し金融機関に提出することになります。
遺産分割協議に関する記事はこちら⏬
【遺産分割協議に参加すべき人。参加できない人。】
【遺産分割協議の指針。法定相続分と同じ内容の分割も可】
【遺産分割協議後に、自分が相続した財産を他人に贈与された。】
【遺産分割を行ったときは、必ず「遺産分割協議書」を作らなければならない?】
【株式を相続した場合の遺産分割協議】
【投資信託の相続.遺産分割】
24/05/16
24/04/25
24/04/07
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こんにちは。
司法書士海埜です。
今日は、相続財産の中に国債が含まれる場合の手続きです。
国債は、身近な投資方法として古くから浸透しているので、親や祖父母が保有しているケースは少なくありません。どのような手続きが必要でしょうか。
はじめに概要を言うと、国債の場合でも、手続き的には現預金とさほど違いはありません。ざっくりですが大きな流れとしては①遺産分割後に②金融機関に所定の相続手続依頼書を提出するということになるはずです。
国債とは
国債とは、国が発行した債券で、国が利子および元本の支払を行うものです。
国債には様々な種類がありますが、個人に販売されているのは専ら、個人向け国債。そして、固定金利付国債です。
個人向け国債は額面1万円から講入でき、発行から一定期間経過すれば中途換金が可能です。3年固定金利型と5年固定金利型と10年変動金利型があります。
また、固定金利付国債は額面5万円で2年満期、5年満期、10年満期などの種類があります。
国債を購入するときは銀行、証券会社などの金融機関で購入します。国債を購入したい人は金融機関に国債専用の口座を開設します。昔は、債券(証券)が発行されていましたが、現在はペーパーレス化されたため、国債は金融機関の口座記録によって管理されています。
国債は可分債権ではない。
国債は相続の対象となりますが、可分債権ではありません。可分債権でないということは、例えば一台の自転車を共同購入したAとBが、売主に対して持っている自転車引渡請求権と同じです。つまり、各相続人がバラバラに金融機関に請求することができないのです。
だから遺産分割協議が確定するまでは各相続人は潜在的な持分を有するにすぎません。
このことは、最高裁平成26年2月25日判決が、法令上、1単位未満での権利行使が予定されていないことを理由に「個人向け国債は、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない」としていることからも読み取れます。
分割の方法
遺産分割の方法としては、特定の相続人が国債を取得し名義変更を受ける方法、換価した上で換価金を分配する方法が考えられます。
いずれの方法による場合も、金融機関に対して相続手続依頼書(金融機関によって名称は違うことがあります。)を提出して行います。
現物分割の場合には遺産分割協議書、遺産分割調停調書、審判書、遺言書によって 遺産分割方法が確定していることが必要です。
その場合には、国債を取得する相続人が相続手続依頼書を提出することになります。
また、名義変更を受ける者は金融機関に国債の口座を作る必要があります。
また、国債を換金して売却代金を分割する場合には、その旨記載した相続手続依頼書を相続人全員で作成し金融機関に提出することになります。
遺産分割協議に関する記事はこちら⏬
【遺産分割協議に参加すべき人。参加できない人。】
【遺産分割協議の指針。法定相続分と同じ内容の分割も可】
【遺産分割協議後に、自分が相続した財産を他人に贈与された。】
【遺産分割を行ったときは、必ず「遺産分割協議書」を作らなければならない?】
【株式を相続した場合の遺産分割協議】
【投資信託の相続.遺産分割】
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