外国法人が日本の不動産を買うときの登記

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外国法人が日本の不動産を買うときの登記

司法書士うみのブログ

2018/12/06 外国法人が日本の不動産を買うときの登記

 

こんにちは。

司法書士海埜です。

 

前回、外国人の住所氏名の登記についてアップしました。⏬

【外国人が不動産を買うときの登記(外国人の氏名を外国語で登記できる?)】

【外国人が不動産を買うときの登記(中国人などの漢字の表し方)】

【外国人が不動産を買う時の登記(通称名について)】

今回は、外国人ではなく「外国法人」が日本の不動産を買う場合の登記についてです。

 

 

申請書に記載すべき本店所在地

外国法人、日本法人に関わらず、法人が登記名義人として登記される場合には、申請情報(申請書)にはその名称及び住所を提供し(不登令3①)、それが登記事項となります(不登法59④)。

法人の名称とは、商号又は名称のこと。

法人の住所は、本店又は主たる事務所を意味しています。

繰り返しですがこのことは、日本法人の場合も、外国法人の場合も同様です。

従って外国法人の住所は、本店所在地を登記することになります。(質疑応答3986登記研究194号73ページ)

本国の本店所在地をとうきするので、「日本における営業所」(だけ)では登記できません。

日本における営業所「も」登記できるか

それでは外国法人の日本における営業所の表記「も」合わせて登記することを、認めることができるでしょうか。

この論点は、関係者が登記簿謄本を見たときに、所有者となっている外国法人の「日本における営業所」の場所が判らないと、不都合を生じるという観点から問題となります。

原則諭でいくと、会社法上、外国会社の日本における営業所(又は事務所)は会社の支店と同じです。

支店は対外的には独立性がありますが、対内的には本店に従属するものです。

従って支店の行為は法律的には本店の行為なので、たとえ支店の営業活動で取得した権利であったとしても、本店名義で登記をすれば、それで十分ということになります。

 

しかしこの点については、昭和41年5月138民事三第191号民事局第三課長通知によって、日本における営業所を登記することが許容されています。

外国法人が日本における営業所(又は事務所)で取引したにもかかわらず、本国の本店のみが記録されている場合、やはりこれから取引関係に入ろうとする第三者目線でいくと、

外国法人の日本における営業所等の所在が登記記録から判明せず、取引に支障を来すおそれがあることからこの取り扱いが認められているのです。

わかりやすく言い換えると、登記簿謄本に外国の住所がカタカナで記載されているだけでは、その会社のどの部署に、いかにしてコンタクトを取るべきなのか、郵送物が届くのかさえわからず、難儀しそうですよね

、ということです。

日本の住所の記載があれば、まずはウェブで調べて、少なくとも電話なりメールなりで連絡はできそうな気がします。

 

 

 

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