遺言執行者の報酬はどこから出るんでしょうか?

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遺言執行者の報酬はどこから出るんでしょうか?

司法書士うみのブログ

2019/01/28 遺言執行者の報酬はどこから出るんでしょうか?

こんにちは

司法書士海埜です。

遺言書の書き方で、遺言執行者はそもそも指定しておいたほうがいいのか?とご質問を受けることがあります。

遺言執行関係の記事はこちら⏬

【遺留分に足りない場合】

 

 

遺言執行者はできれば指定するべき。

遺言執行者は、場合にもよりますが指定しておいたほうがいいです。遺言執行者として指定するのは、弁護士、司法書士、行政書士など外部者でもOKですし、相続人の一人でも構いません。
これは何故かというと、遺言執行者がいないことによって困ってしまうケースがあるからです。

例えば次のような場合です。
N氏が、「現金~~を妻に相続させる」旨の遺言書を遺して死亡しました。遺言執行者の指定はありませんでした。N氏の相続人は妻と、歳の離れた疎遠な兄弟だけだったので、N氏としては簡単に考えていたようです。
ところが、相続発生後に妻が銀行の手続きに行おうとしたところ、相続人全員の実印が必要で、さもなければ遺言執行者を選任し、その遺言執行者から「銀行には一切迷惑をかけない」という内容の書面を出すよう求められたそうです。
(※こういった取扱いは、個別交渉の末の妥協案なので、全国どこの銀行でも対応してくれるわけではありません。原則論としては相続人全員の印鑑が必要だが、妻としては、N氏の兄弟と連絡を取ることがまったく困難で見通しが立たないため、銀行と交渉したのです。)
妻は銀行の指示に従い、裁判所の手続きで遺言執行者を指定してもらうということを、しなければならなくなりました。

この事例から、遺される人のことを考えると、音信不通の相続人がいるなどの場合は、遺言執行者がいたほうが何かといいのではないかと思います。

 

 

遺言執行事務の流れ

遺言執行者に指定された人は、おおよそ次の流れで事務を行います。
①遺言執行の通知
②全財産の調査・把握と目録作成
③民法996の処理(遺贈すべき財産が相続財産の中にない場合の処理)
④遺言書で指示があれば債務の弁済
⑤登記・登録の名義変更と、債権者債務者への通知
⑥必要に応じて管理・保管

 

遺言執行者の報酬

報酬は、遺言書で定めておくのが基本です。よく見る例ですと、例えば弁護士事務所が文案を作成したときは「遺言執行者の報酬は、○○弁護士事務所報酬規定に従う」といった記載になっていることがあります。
遺言書に記載がない場合は、裁判所にお願いして定めてもらうことになります。
(これ以外の方法は、民法ではみとめられていません)
そして報酬は、民法1021条により相続財産の負担であるとされています。

従って相続財産を分配する前に、遺言執行者報酬を差し引いてからあん分するというやり方が、お金の流れとして分かりやすいでしょう。

 

 

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