「私道の真ん中に木が残っているのですが…」

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「私道の真ん中に木が残っているのですが…」

司法書士うみのブログ

2019/01/29 「私道の真ん中に木が残っているのですが…」

こんにちは。

司法書士海埜です。

今日は先日からの続きで、道路の疑問点についてです。道路は不動産であり、当然所有の対象となりますが、その公共性からいろいろな制約を受けることがあります。

道路関係の記事はこちら⏬

【私道の通行料】

【買った土地の一部が公道にかかっている】

「敷地内に私道を作りましたが、もともと古くからあった欅の木を残したところ、道のほぼ真ん中に欅が鎮座する状態になってしまいました。

これが近所からは不評で、「邪魔だ」「通りにくい」などの声が上がっています。しかし私としては、先祖が植えた欅なので切り倒すのは心理的抵抗があるのです。このように欅を残しておくことは、違法なのでしょうか?」

 

建築基準法第44条によれば、公道、私道の別に関わらずその適用を受ける道路であれば、建築物、塀、門、煙突などを付きださせることはできないことになっています。
ただ欅の木については、植物ですから、建築物などには当たらないと考えられますよね。

しかし建築基準法の適用を受けないとしても、道路交通法という法律があります。道路交通法第七十六条は、次のように定めています。
「何人も、信号機若しくは道路標識等又はこれらに類似する工作物若しくは物件をみだりに設置してはならない。
2 何人も、信号機又は道路標識等の効用を妨げるような工作物又は物件を設置してはならない。
3 何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。
4項省略」

欅の木は、このうち第3項に当たる可能性はあるかなと考えます。

 

他人の私道にガス管、水道管を開通させられるか??

自分が住んでいる環境を整備するために、他人が所有している私道にガス管や水道管を通してもらうことは可能でしょうか?

これについては「可能である」という判例があります。
理屈としては、ガス管水道管については、生活面でどうしても必要な設備であるから、私道の通行権の一部として当然認められる、ということです。法的には民法210条~213条(囲にょう地通行権)の類推適用を受けるといった構成です(神戸簡判昭和50.9.25判時809.83)。
下水道に関しては、下水道法11条により、とくに承諾を要せず可能とされています。

《下水道法11条1項》

(排水に関する受忍義務等)
前条第一項の規定により排水設備を設置しなければならない者は、他人の土地又は排水設備を使用しなければ下水を公共下水道に流入させることが困難であるときは、他人の土地に排水設備を設置し、又は他人の設置した排水設備を使用することができる。(以下省略)

私道を公道にするには?

私道は個人の所有物ですが、私道を持っていることに負担を感じる場合、手放すことができるのでしょうか。私道の固定資産税は非課税の場合が多い一方で、実際には維持管理の負担はあります。

また民法上の所有者責任は当然負うことになりますから、私道上で起こるトラブル(事故や怪我)に関して私道そのものが原因となったときは責任が生じます。
そこで私道に関しては、市町村道への編入手続きが存在します。詳細な手続きは、各市町村にご確認下さい。

 

 

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