相続登記。遺言執行者になっているのですが、各相続人の遺留分に足りないようです。このまま実行していいでしょうか?

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相続登記。遺言執行者になっているのですが、各相続人の遺留分に足りないようです。このまま実行していいでしょうか?

司法書士うみのブログ

2019/01/26 相続登記。遺言執行者になっているのですが、各相続人の遺留分に足りないようです。このまま実行していいでしょうか?

こんにちは。

司法書士海埜です。

今日は遺言執行と登記に関する論点をひとつ上げましょう。次のような場合です。

 

「自分が遺言執行者になっているのですが、各相続人の遺留分が足りてないようです。このまま不動産の相続登記していいでしょうか?」

 

 

遺言執行者は、遺言執行を行う義務を負います(民法1014条)。ですが、遺留分を侵害されそうな相続人から見れば、遺言執行されてしまうのは甚だ不安ですし、できれば手続きをストップしてもらいたい気持ちになるはずです。

 

この点についてはすでに通説があります。

結論から言うと、遺言執行者は遺留分侵害の可能性があっても、基本的には執行を進める方向で構わないです。

もし、各相続人の遺留分が侵害されているとしても、①遺留分権利者から減殺請求がされて初めて減殺の効果が発生すること、②もし不動産の相続登記が遺言書のとおり行われても、遺留分減殺請求に対しては金銭で対応できること。③遺留分に関する争いは長期化しがちなこと。

これらの理由からです。

遺留分の問題は、あくまで相続人同士の相対的な問題としていったん置いておき、遺言執行者として執行の義務を果たしたあとに(特別な合意がなければ)遺留分権利者とその相手方との問題として話し合いに任せることになります。

 

よく考えてみると、遺言執行者の立場では、そもそも遺留分の計算そのものが困難な場合がありますよね。遺言執行者が遺言者の債務まではっきりした調査結果を得ることが事実上不可能で、そのため遺留分についてもはっきりわからないというようなケースです。

もちろん、相続財産目録を作成する過程で、可能な限り調査は行いますが、それでも「ブラックボックス」であることはままあります。

その点から考えても、上記の結論は妥当かなという気がします。

 

出典はこちらでした「遺言執行者の実務」

 

 

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