遺言書と違う分割協議を行うことができる?

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遺言書と違う分割協議を行うことができる?

司法書士うみのブログ

2018/12/11 遺言書と違う分割協議を行うことができる?

こんにちは。

司法書士海埜です。

前回は、遺言がある場合でも相続放棄ができるか?という疑問についてでした。↓

【遺言がある場合でも相続放棄できない?】

結論としては、遺言があっても相続放棄ができます。

それでは遺言がある場合に、それとは別に遺産分割協議ができるでしょうか?

 

 

 

遺言と異なる遺産分割協議について

遺言とは

まず遺言書についておさらいです。

遺言書は人が自分の死後,その効力を発生させる目的で,あらかじめ書き残しておく意思表示です。

遺言が法律上の効果を生じるためには,民法の定める一定の方式に従ってなされることが必要です(→遺言証書。960条)。

遺言でできることは,認知,後見人の指定,相続人の廃除,遺贈,寄付行為,相続分の指定,遺産分割方法の指定,そのほか法律で定められているものにかぎられ,それ以外の事項に関するものは法的効果を生じません。

遺訓,遺誡などの道徳的内容のものは法律上の遺言ではありませんが、書いても構いません。

年齢的には満15歳に達ていれば独立して遺言をすることができます(961,962,963条)。ただし,成年被後見人が遺言をするには医師 2人以上の立ち会いを要すします(973条)。なお,遺言の内容を実現するため特別の行為が必要なときは,遺言執行者が置かれる(1006条以下)。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事

 

遺産分割とは

一方、遺産分割とはなんでしょうか?

共同相続の対象となった相続財産を相続分に応じて分割し,各相続人の単独財産に決定する手続をいいます。

分割方法は,①遺言,②相続人の協議,③家庭裁判所の決定の順で定められます (民法 907,908) 。必ずしも現物分割を原則とするわけではなく,遺産に属する物または権利の種類および性質,各相続人の年齢,職業,心身の状態および生活の状態などを考慮して分割することができます (906条) 。また,遡及効が認められて被相続人から直接承継したものとみなされます (宣言主義) 。「遡及効(そきゅうこう)」とは難しい言葉ですが、要は「過去に遡って効力を生ずる」という意味です。分割協議はふつう被相続人の死亡後に行われるところですが、死亡時点で、分割協議どおりの法的な動きがあったものと擬制するというわけです。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

 

遺言が絶対的に優先するわけではない。

以上のとおり相続においては遺言が被相続人の最終の意思として最優先します。

しかし往々にして遺言の内容が相続人全員を満足させるものとは限りません。

それでも遺言どおりに相続財産を分割しなくてはならないのか?遺言と異なる内容の遺産分割協議をすることは可能なのかという問題が考えられます。

この点については、
相続人全員の合意のうえであれば、遺言と異なる遺産分割協議をすることは可能とされています。

但し、遺言執行者が定められている場合にはその者の合意も必要になります。

遺言執行者とは、文字どおり遺言の内容を実現させる者であり、相続財産の管理のほか、遺言の執行に必要なすべての権利と義務を持つ者です。よって、相続人全員が遺言と異なる遺産分割協議を望んでも遺言執行者はそれを拒否することができます。

 

 

 

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