家族信託の会計2

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2018/11/20 家族信託の会計2

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こんにちは。

司法書士海埜です。

前回は信託の会計についてまとめました。【家族信託の会計1】これと関連して、法人が信託の当事者となる場合の、会計の取扱いに関する資料を発見したので掲載します。

ただし下記の資料は、新信託法が施行された後に、企業会計基準委員会という組織が企業会計について発表しているものの一部ですから、一般個人で受託者となる方は参考程度に斜め読みして頂きたいと思います。

 

企業会計基準実務対応報告23号

受託者の会計処理
Q8受託者は、どのように会計処理するか。
A新信託法において、信託の会計は、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする(第13条)とされている。
これまで、信託は財産の管理又は処分のための法制度であり、これを適切に反映するため に、その会計は、主に信託契約など信託行為の定め等に基づいて行われてきたと考えられる。

 

むろん、信託の会計を般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準じて行うことも妨げられないものの、新信託法においても、信託は財産の管理又は処分の制度であるというこれまでの特徴を有しているため、今後も、これまでと同様に明らかに不合理であると認められる場合を除き、信託の会計は信託行為の定め等に基づいて行うことが考えられる。
ただし、次のような信託については、債権者が存在したり現在の受益者以外の者が受益者になることが想定されたりするなど、多様に利用される信託の中で利害関係者に対する財務報告をより重視する必要性があると考えられるため、当該信託の会計については、株式会社の会計(会社法第431条)や持分会社の会計(会社法第614条)に準じて行うことが考えられる。この場合には、原則として、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準じて行うこととなる。

(1) 新信託法第216条に基づく限定責任信託

(2) 受益者が多数となる信託

 

なお、受託者が信託行為の定めに基づくなど財産管理のための信託の会計を行っていても、受益者の会計処理は、原則として、般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて行うことに留意する必要がある。

 

この内容からは、受託者の会計は、原則として信託契約で定めた基準で進めるのがいいでしょうということが読み取れます。

ちなみに信託法216条の「限定責任信託」とは、受託者の責任が信託財産に限定される信託のことをいいます。これは、信託財産の範囲内で債務の責任を負うものです。受託者が信託業務を処理する際に行った不法行為等の責任については受託者の固有財産も引当にして責任を負いますが、それ以外については、受託した財産のみを引当とすることになります。
一般に限定責任信託は、日本ではもともと、資産の流動化やベンチャー事業での利用が期待されて創設されたため、利害関係人が多数に登ることが想定されていることから、上記の報告の中で特にクローズアップされているものと思われます。

 

 

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