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自己信託の事例2「全財産を寄付したい」
こんにちは。 司法書士海埜です。 先日、自己信託の使い道について一例を掲載しましたが(⏬こちら)
家族信託。『自己信託』の事例 今日も自己信託の続きです。
甲さんは、自分の相続人が一人もいないにも関わらず、これまで継続事業で四億円程度の資産があります。 死後は、この四億円を、NPO法人等複数の団体に寄付しようと考えてはいますが、その割合は具体的には決めていません。
このような場合、甲さんの希望を叶えるためにはまず遺言書で書き残すことが考えられますよね。 『NPO法人○○に、○○円を(あるいは総資産の○○割を)寄付する』などのように記すことができます。 ただ遺言書の場合は、『誰に、何を』という部分をはっきり書かなければならないので、どこの団体にいくらあげるのかを決めてしまわないと、書けないんですね。甲さんのようなケースでは、まだ事業継続中ということもあって、自分の死亡時どのくらい資産が残っているのかはっきりわからない状況なので、遺言書は先延ばしにしているという方も多いと思います。
そこで自己信託が登場します。 予め、自己信託宣言によって『委託者=受託者=受益者』とする信託を設定するのです。 ここで受益者は、当初は甲さんでOKです。
最終的に受益者をはっきり決めるのは後でも構わないのです(※受益者=受託者の状態が1年続くと信託終了となるため、受益権のごく一部は誰かに渡しておく必要はあります)。 受益者をあとで決める場合『受益者指定権者』を置くことができます。この受益者指定権者が、甲さんの死後、財産状況や甲さんの意思を鑑みて受益者を定めることができるというわけです。 もちろん受益者指定権者は、甲さんが信頼を置く人物でなければなりませんから、適任を予め見つけておく作業は必要です。
また自己信託と並行して遺言書を作成し、『死後に残っている財産は、信託財産に組み入れる』と定めておけば、すべての財産を寄付に回すことができますね。
24/05/16
24/04/25
24/04/07
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こんにちは。
司法書士海埜です。
先日、自己信託の使い道について一例を掲載しましたが(⏬こちら)
家族信託。『自己信託』の事例
今日も自己信託の続きです。
甲さんは、自分の相続人が一人もいないにも関わらず、これまで継続事業で四億円程度の資産があります。
死後は、この四億円を、NPO法人等複数の団体に寄付しようと考えてはいますが、その割合は具体的には決めていません。
遺言書で寄付できるか?
このような場合、甲さんの希望を叶えるためにはまず遺言書で書き残すことが考えられますよね。
『NPO法人○○に、○○円を(あるいは総資産の○○割を)寄付する』などのように記すことができます。
ただ遺言書の場合は、『誰に、何を』という部分をはっきり書かなければならないので、どこの団体にいくらあげるのかを決めてしまわないと、書けないんですね。甲さんのようなケースでは、まだ事業継続中ということもあって、自分の死亡時どのくらい資産が残っているのかはっきりわからない状況なので、遺言書は先延ばしにしているという方も多いと思います。
自己信託を使うと…??
そこで自己信託が登場します。
予め、自己信託宣言によって『委託者=受託者=受益者』とする信託を設定するのです。
ここで受益者は、当初は甲さんでOKです。
最終的に受益者をはっきり決めるのは後でも構わないのです(※受益者=受託者の状態が1年続くと信託終了となるため、受益権のごく一部は誰かに渡しておく必要はあります)。
受益者をあとで決める場合『受益者指定権者』を置くことができます。この受益者指定権者が、甲さんの死後、財産状況や甲さんの意思を鑑みて受益者を定めることができるというわけです。
もちろん受益者指定権者は、甲さんが信頼を置く人物でなければなりませんから、適任を予め見つけておく作業は必要です。
また自己信託と並行して遺言書を作成し、『死後に残っている財産は、信託財産に組み入れる』と定めておけば、すべての財産を寄付に回すことができますね。
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