家族信託での、信託目録の記載例

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家族信託での、信託目録の記載例

司法書士うみのブログ

2018/10/31 家族信託での、信託目録の記載例

こんにちは。

司法書士海埜です。

 

不動産について家族信託を組成する場合、特殊な事情がなければ不動産登記まで行うのが通常です。

登記の目的は、『所有権移転及び信託』。登記の原因は『○○年○月○日信託』です。

この登記では、普通の所有権移転登記と違って、『信託目録』というデータを作成し添付する必要があるんですね。この『信託目録』とは一体どんなものでしょうか。

 

信託目録の記載事項は決められていて、信託の目的、信託財産の管理方法、信託終了の事由、その他信託条項の4種類に限られています。

そして信託目録は、信託契約の内容を反映した文章になるわけですが、信託契約公正証書の中身を全部記載しなければならないか?というと、そんなことはありません。もちろん全部を記載しても構わないのですが、全部を記載してしまうと、家族のプライベートな取り決めまで、登記によって公の目にさらされることになってしまうんですね。例えば、委託者と受託者の間の費用的な取り決めは、言い換えれば親子間のお金のやりとりについての合意ですから、かなりプライベートな情報と言えます。このような情報は登記によって全国的に公開するに馴染まないわけです。

従って信託目録には、第三者に予め公開しておく必要がある情報に絞って記載するのが妥当です。

 

以下は家族信託における、信託目録の記載例です。

ご参考になさってください。

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信託の目的
受託者が信託財産を管理運用又は処分し、受益者の生活、介護、療養、納税等に必要な資金を拠出し、もって受益者の幸福な生活及び福祉を確保すること、並びに資産の適正な管理、運用、保全、処分を通じて資産の円満な承継を実現することを目的とする。
信託財産の管理方法
1.受託者は、信託不動産については、信託による所有権移転登記及び信託登記手続を行うものとする。
2.受託者は、信託不動産を第三者に賃貸することができる。
信託終了の事由
本件信託は、次の事由によって終了する。
1.委託者が死亡した時
2.信託財産が消滅した時
3.信託法第163条に定める終了事由が発生した時
その他信託条項
1.信託については、併合又は分割を行うことができない。
2.受益権は、譲渡、質入れその他の担保権の設定をすることはできない。
3.委託者は、受託者との合意により、信託の内容を変更し、若しくは信託を一部解約し、又は信託を終了させることができる。
4.信託法第56条第1項各号に掲げる事由により、受託者○○の任務が終了したときは、委託者は、次の者を新たな受託者として指定する。
○○○○
5.信託終了後の、残余の信託財産の帰属については、次のとおりとする。
①委託者死亡の場合、その他信託法に定める終了事由により信託契約が終了した場合には、○○○○に帰属するものとする。
②信託不動産の使用収益、換価によって信託財産となった財産及び追加信託により信託財産となった財産についても、前項と同様とする。
③信託の終了時に、○○○○が死亡していた場合には、△△△△に帰属する。

 

 
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