家族信託。「途中で解除することができますか?」

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家族信託。「途中で解除することができますか?」

司法書士うみのブログ

2018/10/29 家族信託。「途中で解除することができますか?」

こんにちは。

司法書士海埜です。

 

「家族信託を導入したあとに、途中で家族信託をやめる(解除する)ことができるのか?」というご質問について。

 

まず前提として、信託契約の終了事由は、信託法で下記のとおり法定されています。

  1. 委託者と受益者の合意がされた時
  2. 信託の目的を達成した時、または信託の目的を達成することができなくなった時
  3. 受託者が受益権の全部を固有財産で有する状態が1年間継続した時
  4. 受託者が欠けた場合であって、新受託者が就任しない状態が1年間継続した時
  5. 費用などの償還を受けられなかった受託者が、信託を終了させた場合
  6. 信託の併合がされた時
  7. 信託の終了を命じる裁判があった時
  8. 信託財産について破産手続開始決定があった時
  9. 委託者が破産、再生、更生手続開始決定を受け、法の規定により解除されたとき
  10. 信託行為で定めた事由が発生した時

 

 

従って任意に信託を終了させたい時は、委託者と受益者で改めて解除の合意を結ぶ方法があります。

ただこのケースで一番問題になるのは、解除したいと思った時に、受益者である親御さんが認知症等になっている場合です。受益者で有効な意思表示ができないので、解除できないという困ったことになります。

 

ただ、信託法にはもう一つ条文があり、165条で「信託行為の当時予見することのできなかった特別の事情により、信託を終了することが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして受益者の利益に適合するに至ったことが明らかであるときは、裁判所は、委託者、受託者又は受益者の申立てにより、信託の終了を命ずることができる。」と定めがあるため、どうしても信託終了する必要がある場合は、裁判所に申し立てることになります。

 

しかしそうは言っても、家族内で完結することが家族信託契約の最大のメリットであり、契約を終了させるためだけに裁判所の手続きが必要となると手間と労力はかかってしまいますよね。従って、どのような場合に家族信託契約が終了するのか、予想される範囲であらかじめ信託行為で終了事由を定めておくのが妥当だと思います。これは例えば「○○が死亡した時」とか「○○年○○月末日」とか、具体的である必要はあります。

 

またもう1つの可能性として、解除するまでもなく「変更」で済む場合であれば

「信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき」という条件付きではありますが(信託法149)、受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示によって変更を行うことができます。

 

 

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