成年後見人による不動産売却と、施設入居の手続き。

こんにちは。

司法書士法人海埜事務所です。

最近また弊事務所が成年後見人に就任した件がありました。

ご本人は、調布市に長くお住いの方。

あと数年で100歳を迎えられるご年齢です。

大きな病気はないものの、耳が遠く、電気代の支払いなど日常的なことができなくなりつつあります。

電気代を滞納して電気が止まったこともあります。

一人暮らししているマンションの管理費も支払っておらず、督促状が来ても、なんのことかわからないといった状態。

財布を無くしたといって警察に行くけれども、実はいつも引っ張って歩いているキャリーケースの中にあった、ということもありました。

この方については、早めに施設に入って安心な生活を送っていただく方針で、成年後見人のほうで現在入居の準備を進めています。

ただ施設入居というのはなかなか手間がかかるもので、まずご本人に健康診断を受けていただき、診療情報提供書などの書類を施設に提出しなければなりません。

耳が遠く、認知能力も衰えているご本人を病院に連れていくことがまず大変です。

施設に対しては入居希望を出しているものの、書類がなければ手続きが進められません。

施設としては、ほかの入居希望者を優先して早く利用料を発生させたいということも暗に言及されていまして、事情を説明して待ってもらっています。

またこの方は幸いにもご自分の名義の不動産をお持ちで、成年後見人としてはこれを売却して入居費用にあてたい考えではあるのですが、

まずはご本人の身柄を施設に移さなければ、売却時の売出金額もはっきりと決まらず、不動産屋さんとの媒介契約も滞っています。

ご本人のペースに合わせてじっくり進めるほかはありません。