一人会社をうまく承継させるには。信託の利用。

司法書士うみの事務所

03-6265-3072

〒162-0843 東京都新宿区市谷田町2-3
有楽市谷ビル301

受付時間/平日9:00~18:00

一人会社をうまく承継させるには。信託の利用。

2019/06/10 一人会社をうまく承継させるには。信託の利用。

司法書士海埜です。
「一人会社」つまり株主が一人で、その株主が代表取締役を務める会社はよくありますが、そういった会社をどのように次の世代に残すかという問題は、あまり考えていないという社長が多いと思います。
一人会社は、社長自身の個人事業の延長のような感覚で日々運営されているからかもしれません。

一人会社の問題点

株主兼取締役が同一で、一人で経営している会社の問題点を、事例で見てみます。

AさんはX社の社長です。X社は、Aさんが100%株主であり、かつ代表取締役を兼ねる、「一人株主兼一人取締役」の会社です。
Aさんは独身ですが、前婚の子(Bさん)がいます。
Aさんは、X社をいずれは従業員のCさんに承継させたいと考えています。

しかしこのままでいくと、Aさんが認知症になった際は、代表取締役の交代の手続きはできなくなります。なぜなら、役員選任は株主総会で行うべきところ、その議決権を行使すべき人が認知症になると、意思決定できないからです。
また、Aさんが死亡した場合、X社の株式は法定相続され、Bさんが株主となります。Bさんが経営に携わってきたというなら別ですが、そのような経緯も、会社を継ぐ意思もないという場合、会社運営は止まってしまいます。

 

役員変更と株式の移転を考えても…

この場合まず、Cさんを取締役に就任させることが考えられます。そうすればもしAさんになにかあっても、(株主総会は機能しませんが)会社の業務執行機能だけは当面失われません。
また、株式の承継先を、Cさんだけにするため、遺言を作ることができます。しかし法定相続人であるBさんには遺留分減殺請求権があり、Bさんがこれをした場合には、必ず半分はBさんの権利となってしまいます。

 

信託を利用する方法

そこで信託の利用を考えてみます。

株式を、AさんからCさんに信託し、同時にCさんを取締役に選任しておく方法です。

株式信託によってX社株式の議決権は受託者Cさんに移ります。

しかしAさんには指図権があるので従来通りにAさんが経営全般を握ることができます。

Aさんが認知症になった場合は、指図権行使ができないため、受託者=取締役のCさんに経営の権限が移動し、会社経営が凍結してしまう事は回避できます。

Aさんが死亡した場合も、受益権はCさんに移り、当面は会社経営が止まることはありません。

また、Aさんの前婚の子であるBさんが遺留分減殺請求をしてきたとしても、受益権の一部をBさんに移転可能で、株式自体の名義変更はしなくて済みます。


関連記事

【事業そのものを信託するという考え方。】

【事業を信託する。自己信託バージョン。】

【5人兄弟の自社株共有状態をなんとかしたい。】

 

司法書士うみの事務所
電話番号 03-6265-3072
メール umino@umino-legal.jp
住所 〒162-0843 東京都新宿区市谷田町2-3 有楽市谷ビル301
受付時間 平日9:00~18:00

TOP