登記簿の誤植

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登記簿の誤植

司法書士うみのブログ

2019/05/10 登記簿の誤植

こんにちは。
司法書士海埜です。
今日は登記簿の誤植について。

 

事例

亡父が所有していた建物を解体するにあたり、登記を確認したところ、父の名前の漢字が違っていました。
法務局で訪ねると、建物滅失登記は、誤植のままでは受付ができません。

しかしなぜ漢字が間違っているのかというところは、法務局の説明では、「昔の登記資料が残っていないため経緯はわからない、データ化したときに法務局側で間違った漢字変換した可能性も、ないわけではない」とのことでした。
評価証明書を疎明資料として申請書類に添付すれば、滅失登記はできるとのことですが…

評価証明書を発行してもらうためには、戸籍関係も用意しなければなりませんよね。書類を揃えるための手間暇はバカになりません。
法務局の手違いであったかも知れない誤植のために、書類を集める負担を相続人が負担しなければいけないのでしょうか。せめて評価証明書と戸籍の取得費用は、どこかに請求できないのでしょうか?

 

回答

登記官は、目の前に提出された書面によってのみ事実関係を把握しなければならないため、各資料で漢字が違うということは、それぞれ「別の人物」と考えざるを得ないのです。上記の例では、建物滅失登記を例にしていますが、誤字についての考え方は他の登記(例えば所有権移転登記など)でも基本的に同じです。
そうするとそのままでは後続の登記ができないため、法務局の指示に従った対応が必要になります。
上記例のように、評価証明などの資料で齟齬を埋めるとか、目的とする登記の前に更正登記を入れるとかです。
「漢字がどれくらい間違っているのか」によっても対応は違っていて、例えば「一朗」を「一郎」としていたときは明らかに別字ですから、更正登記を要求されるのが原則と考えてよいでしょう。
「A」を「a」としていた場合は微妙ですが、「邊」を「邉」としていた場合は、同一文字の取扱いです。

法務局のミスであることが明白な場合は、修正をお願いできることもありますが、その都度法務局と打合わせが必要だと思います。

 

さて費用についてですが、こういったケースで法務局が何らかの拠出をするということは、私の経験上見たことがありません。今後もあり得ないだろうと思います。
たとえ数百円でも国(法務局)が税金から出すということになれば、類似のケースで国は対応に追われます。
国賠請求訴訟で立証できれば勝訴になる可能性はありますが、行政訴訟は、国側に有利な判決になることの方が圧倒的に多く、何百円のためにやるかどうかということになってきます。
法務局のミスで誤植になった可能性があるのだとしても、次に登記申請する者が、手間も費用も負担して必要な対応を取るのが普通です。

 

 

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