信託財産は「誰のもの」なのか?

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信託財産は「誰のもの」なのか?

司法書士うみのブログ

2019/03/25 信託財産は「誰のもの」なのか?

こんにちは。
司法書士海埜です。

「信託財産」とはなにか?「信託財産」一体誰のものなのか?という趣旨のご質問を頂きました。

 

信託財産の定義

信託法第2条32項には、次のとおり定めがあります。

この法律において「信託財産」とは、受託者に属する財産であって、信託により管理又は処分をすべき一切の財産をいう。

実は、これまで2回ほど違うお客様からご質問がありましたが、そのお二方とも
受託者に属する財産であって、」という定めかたでは、おかしいのではないか。「委託者に属する」の間違いではないかとおっしゃるんですね。
でも、「信託財産」の定義は信託法上に記載があるとおりです。

そうすると、じゃあ「属する」という文言はもしかして、「所有権がある」という意味ではないんじゃないか?所有とは別の含みがあって使われているのかな?という発想になってきます。

しかし探した限り、この点に関する議論が載っている専門書はありません。

現状信託実務の取扱いでは、税務的には委託者帰属(正確には受益権が誰に帰属するか)の側面を重視して課税が行われ、
登記的には受託者帰属の側面を重視して、信託及び所有権移転という登記が行われています。

 

信託財産は、誰の所有でもない?

「誰にも属さない」というのが正解なんじゃないでしょうか。西洋で十字軍時代に開発された信託理論の経緯からすると、いわば「神に帰属する財産」とも表現できるかもしれません。信託に要求されるお互いの信頼関係は、西洋的な神との約束ごとのような身体感覚で、とらえられている感が強いと思います。

だからこそ信託は日本の法文化に入って来づらいし、日本人は贈与や相続という既存のパターンから頭を切り替えにくいのかもしれないですね。

 

 

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