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家族信託導入後、委託者の本人確認・意思確認は?
こんにちは。 司法書士海埜です。 今日は同業者からこんなご質問がありました。 「新築マンションで所有権保存で信託ってできるの?表題部所有者はデベ、委託者Aさん、受託者Bさんです。司法書士とデベは、受託者Bさんの本人確認のみすれば良い?」
司法書士にとって、登記の実態関係を把握し、当事者の本人確認と意思確認、物件の特定を行うことは 非常に大事な仕事です。 「人・物・意思の確認は絶対!」と、私も先輩方に口酸っぱく言われてきましたし、今でも基本に帰るときは常に常に意識しています。
今回の質問は、「それでは受託者が信託行為として不動産を購入するとなった場合に、その登記を担当する司法書士は、誰の本人確認・意思確認を、どこまでやれば職責に敵うのか?」という趣旨なのです。
以下は、あくまでも私個人の考え方で、司法書士業界や、民事信託・家族信託の専門家の通説ではありませんが、皆さんのご参考になればと思います。
本当に有効な信託契約が存在するのかを確認です。つまり受託者Bさんに法的な権限があるのかの確認ということになります。
免許証などで本人確認を行うことは必須。登記当事者は受託者であり、甲区には受託者の名義が入るので、この点は異議がないところだと思います。
Bさんが物件を購入する意思を確認します。 これは単に購入するというだけだなく、あくまで「信託行為として」つまりBさん個人ではなく「Aさんの受託者であるBさんの行為として」購入する意思があるかどうか?の確認が必要だと思います。
ところでAさんの本人確認は、司法書士の職責として、必要でしょうか。 信託公正証書あるいは信託契約書によって、信託契約の存在を確認すべきと述べました。そうすると、信託契約当事者の実在という点も当然確認しなければ、契約があることを確認したことになりませんよね。我々司法書士の習性で、そこまでやらないと気持ち悪い感じがします。
Aさんの意思は、確認できなくても構いません。例えばAさんがすでに重度の認知症になっていて、会話ができない状況であっても問題ないということです。 そもそも家族信託契約を利用している目的というのは、もし委託者が認知症などになったとしても受託者が財産管理を継続するためですよね。ここでAさんの意思云々を要求しては、家族信託を導入した意味がなくなってしまいます。
これまで家族信託に対応した不動産業者は限られていたのですが、家族信託の認知度が上がるとともに、業者も知識をつけてできるだけ対応しようという所が増えています。しかし付随する実務はまだまだ発展途上の部分があります。
司法書士としては基本に立ち返って対応するほかないかと思います。
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24/05/16
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24/04/07
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こんにちは。
司法書士海埜です。
今日は同業者からこんなご質問がありました。
「新築マンションで所有権保存で信託ってできるの?表題部所有者はデベ、委託者Aさん、受託者Bさんです。司法書士とデベは、受託者Bさんの本人確認のみすれば良い?」
司法書士にとって、登記の実態関係を把握し、当事者の本人確認と意思確認、物件の特定を行うことは
非常に大事な仕事です。
「人・物・意思の確認は絶対!」と、私も先輩方に口酸っぱく言われてきましたし、今でも基本に帰るときは常に常に意識しています。
今回の質問は、「それでは受託者が信託行為として不動産を購入するとなった場合に、その登記を担当する司法書士は、誰の本人確認・意思確認を、どこまでやれば職責に敵うのか?」という趣旨なのです。
以下は、あくまでも私個人の考え方で、司法書士業界や、民事信託・家族信託の専門家の通説ではありませんが、皆さんのご参考になればと思います。
司法書士として確認すべきこと
■信託契約公正証書(公正証書を巻いていない場合は、信託契約書)
本当に有効な信託契約が存在するのかを確認です。つまり受託者Bさんに法的な権限があるのかの確認ということになります。
■受託者Bさんの身分証明書
免許証などで本人確認を行うことは必須。登記当事者は受託者であり、甲区には受託者の名義が入るので、この点は異議がないところだと思います。
■Bさんの意思の確認。
Bさんが物件を購入する意思を確認します。
これは単に購入するというだけだなく、あくまで「信託行為として」つまりBさん個人ではなく「Aさんの受託者であるBさんの行為として」購入する意思があるかどうか?の確認が必要だと思います。
■委託者Aさんの身分証明書関係は?
ところでAさんの本人確認は、司法書士の職責として、必要でしょうか。
信託公正証書あるいは信託契約書によって、信託契約の存在を確認すべきと述べました。そうすると、信託契約当事者の実在という点も当然確認しなければ、契約があることを確認したことになりませんよね。我々司法書士の習性で、そこまでやらないと気持ち悪い感じがします。
■委託者Aさんの意思確認については?
Aさんの意思は、確認できなくても構いません。例えばAさんがすでに重度の認知症になっていて、会話ができない状況であっても問題ないということです。
そもそも家族信託契約を利用している目的というのは、もし委託者が認知症などになったとしても受託者が財産管理を継続するためですよね。ここでAさんの意思云々を要求しては、家族信託を導入した意味がなくなってしまいます。
大手デベの対応
これまで家族信託に対応した不動産業者は限られていたのですが、家族信託の認知度が上がるとともに、業者も知識をつけてできるだけ対応しようという所が増えています。しかし付随する実務はまだまだ発展途上の部分があります。
司法書士としては基本に立ち返って対応するほかないかと思います。
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