私道と団地。共有者不明私道の論考。

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私道と団地。共有者不明私道の論考。

司法書士うみのブログ

2019/02/06 私道と団地。共有者不明私道の論考。

こんにちは。

司法書士海埜です。

「登記研究」というだいぶマニアックな雑誌に、共有者不明私道について、今後どのようにすればスムーズに工事や修復ができるのか?といったテーマの文章が掲載されていました。

※以下はあくまで私的な団体の研究報告に過ぎず「そういう考え方もできる」といったレベルでの論考です。

 

共有者不明私道の困った問題

私道の所有者(共有者)が誰なのかわからない場合、次のような支障が生じています。

すなわち、多くの地方公共団体が、私道整備に助成金を支出しているところ、助成金の条件として、原則、私道所有者全員の工事の同意を要求していることが多いのです。そのため、私道共有者の一部の所在不明によって、地方公共団体としては助成金申請を却下せざるを得ないことになります。ところが助成金なしでは、私道所有者の負担が重く、必要な工事を実施することができなくなります。

そこで、「所有者全員の同意という要件を緩和できないか?」という視点が出てきます。

 

「全員の同意」が不要となる考え方

私道とその周囲の家々は、分譲の際に私道が設けられ、これに接する各宅地所有者が共有持分を取得していることが多く、私道と接する各宅地をまとめて、一団の土地を形成しているとみることができます。

これは、民法の特例で作られている「建物の区分所有等に関する法律(いわゆる区分所有法)」の第二章に定めがある「団地」に相当するのではないか?という考え方があります。

そうだとすれば、「団地」に関する規定が適用され、必ずしも、共有者全員の同意がなくても、工事に伴う助成金申請などはできるのではないか??ということなのです。

ちなみに区分所有法における「団地」の条件は、次の①②だけです。

①1団地内に数棟の建物があること

②その団地内の土地が①の建物所有者の共有に属すること

「一団地」とは、客観的に一区画をなしていると見られる土地の区域のこと。またその区画内の建物は、区分所有建物であっても、それ以外の戸建てであってもよいとされているところ、私道とその周囲の宅地についてはまさに①②を満たすと考えられますよね。

そうすると、私道共有者はいわば「団地的拘束」によって、なにかアクションを起こす際に全員の同意を得る必要はなくなり、集会を開いて決議する方法によって、円滑な工事の実施につなげることができるわけです。

 

 

ただ一般的には、私道共有者のあいだにおいてまず「団地である」という認識がないし、規約も管理者もないはずで、このような「団地的拘束」による規律を取るためには、イニシアティブをとって意思決定を先導する人が必要だと思います。

具体的な手続きとしては、下記に法の定めがあります。

1.集会の招集(区分所有法34~35条)

2.集会の決議(同法17~18条、37~39条)

3.議事録の作成・保管・閲覧(同法42条)

 

 

この「団地理論」は、現段階では「こうなったらいいな」というレベルで論じられているだけで、実際に地方公共団体が受け入れて実務を動かすまでには至っていませんが、

私は興味深く読ませて頂きました。

 

 

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