「毒親」の親権行使。

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「毒親」の親権行使。

司法書士うみのブログ

2019/01/17 「毒親」の親権行使。

こんにちは。
司法書士海埜です。
こどもの権利の研修で考えたことについて、今日も書かせて頂きます(このテーマは司法書士としても母親としても、気になってしまうのですね)。
前回までの記事⏬

【体罰は親権の行使なのか?こどもの法的権利について。】

【親権の「停止」が認められた例(宮崎家審H25.3.29家月65巻6号115頁)】

 

こどもの権利に関する各種の組織・団体は存在はしています。

東京に出て来て、私はその存在を初めて知ったのですが『こども食堂』という施設があります。
私が18歳まで住んでいた青森県には、『こども食堂』に類するものはありませんでした(知らなかっただけ…??山奥の田舎で、みんなが似たような経済状況だったという事情もあるかなと思います)。
『こども食堂』は、子供は無料で、親は300円程度で、食事ができる場所。寄付や、有志の手伝いで運営が成り立っています。

 

また面会交流の支援団体は50~60団体くらいあります。昔より増えてきていて、弁護士や司法書士などの専門家が手を上げて組織しているものもあります。しかし支援の専門性や体制は、他の先進国と比べるとノウハウ不足と言わざるを得ないようです。

そのほか養育費の問題、連れ去りの問題、虐待の問題についても、法が整備されているとはとても言い難い状況の中で、組織的に支援していこうという各種団体が存在しています。

 

 

なぜこどもの権利に関する法整備が進まないかと言えば、それはやはり「親権」というものが強いからではないでしょうか。「親権」は家庭内で行使される権利であり、家庭内の事情に他人が踏み込んで介入することは、「親権」の侵害、プライバシー権の侵害となりかねない、心配だけれども手が出せないという状況があります。

 

 

また近年「毒親」という言葉が使われていますよね。「毒親」のはっきりした定義は学術的にはありませんが、明白な虐待とまでは言い難い、子供に対して肯定的に接することができない、未成熟な親という類型になるでしょうか。

「毒親」は外部から法的に介入するには、かなり難しいハードルがあると思います。

普段の言動を虐待として証明するのが難しいし、本人たちも、普段の関係性が日常的になっているので、とくに自分のことを「毒親」とも思っていない場合が多いでしょう。

またこれは親子のコミュニケーションの問題であって、実際客観的に「毒親」認定することが難しい、「毒親」とはそもそも子から見た主観的な評価にすぎないのではないか、という意見も聞きます。

確かに何でもかんでも親権の濫用として介入すれば、却って混乱が生じます。「毒親」は、法的な俎上に乗せるべき問題ではなくて、家族や地域のネットワーク機能の問題かもしれません。

しかし子が大人になってから深刻なPTSDが明らかになったり、人格形成に濃い影響を与えるケースもあります。

あなたの子供時代を思い出して、ぜひ考えてみて頂きたいと思います。

 

 

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