体罰は親権の行使なのか?こどもの法的権利について。

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体罰は親権の行使なのか?こどもの法的権利について。

司法書士うみのブログ

2019/01/15 体罰は親権の行使なのか?こどもの法的権利について。

こんにちは。

司法書士海埜です。

オンラインで未成年後見人についての研修がありました。未成年後見は、高齢者を対象とした成年後見よりは現在のところ注目度が低い分野ではあります。

 

 

その中でいわゆる体罰についての考察があり、講師が熱く語る姿が印象的でした。

体罰が、親権の中の「懲戒権」行使として、許容されるのか否かという論点です。論点にするまでもないと私個人的には思うのですが
講師である早稲田大学教授が、政治家の勉強会に参加したおり、自民党では「1発や2発殴って当然だし、そうしなければ子供はまともに育たない」という意見が、多かったそうです。

また相撲界や、体操界などスポーツの場における暴力がメディアで度々取りあげられるのを見たり、また自分自身の体験に鑑みても、日本では体罰が根深いということがよくわかります。

 

 

親権という権利は、江戸時代に父の教令権として、儒教、特に朱子学の影響を受けた考え方で形成されたと言います。

座敷牢に入れる、折檻、勘当、借金のかたに売り飛ばすなど、父親が自由に行っていい時代がありました。
明治民法に変わると、もともと地域ごとの不文法だった父権が近代法制度となり、武士階級の封建的な家族制度を採用することに。武士の封建制を家族倫理として採用してしまい、父が絶対的に偉いということになりました。

これにより、それまで武士ではない庶民たちは、実は男女平等の、生産のしくみそのものとしての家庭を持ち、家督相続ではなくてむしろ選定相続(適切な者に稼業を継がせ、他の子には金銭を与える)を行っていたのに、その風習は失われてしまいました。

成人しても父親の同意がなければ結婚出来ない、という時代が長らく続きます。

 

 

日本人が、今でも封建的な考え方を引きずっているかどうか私には判断できませんが、少なくとも先進国で、日本ほど、体罰を是とする考えの人が多い国はないようです。

また実地で育児をしていて思うのは、怒鳴ったり、乱暴したりしても、それは決して「教育」にはならならず、かえって別の方向に子供を誘導することになるのではないかということです。

 

「親権」は、字づらとしては「親の権利」となっている一方で、その実は「こどもの権利」を表す用語であるという考え方もあります。

親権については明日の記事に続きます。

 

 

 

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