「信託財産引継登記」と、「信託財産を受託者の固有財産とする登記」の違い。

司法書士海埜事務所

現在フォームから受付中です。

〒182-0026 調布市小島町3-66-1モンレーヴ調布501

受付時間/平日9:00~16:00 土日祝日

「信託財産引継登記」と、「信託財産を受託者の固有財産とする登記」の違い。

司法書士うみのブログ

2018/12/27 「信託財産引継登記」と、「信託財産を受託者の固有財産とする登記」の違い。

こんにちは。

司法書士海埜です。

先日同業の方から問い合わせがあった件をまとめたいと思います。

その方によると、信託終了による信託財産引継を原因とする、所有権移転及び信託抹消の登記を申請したところ、事前打合わせをかけたにも関わらず、法務局がストップをかけたそうなのです。

「信託財産を受託者の固有財産とする登記を申請すべきではないか?」と指摘されたそうです。

結局この件は、信託財産引継で対応できたそうですが、この二種類の登記は登録免許税も大きく異なる場合があるため、違いを明確にしておく必要があると思います。

 

受託者の固有財産となった旨の登記

まず、『受託者の固有財産となった旨の登記』とは、どんな場合に行うのでしょうか。

登記申請書には次のように記載します。

【登記の目的】

受託者の固有財産となった旨の登記及び信託登記抹消

【登記の原因】

平成30年◯◯月◯◯日委付
【権利者】  〇市〇町0番0号、甲(受託者)
【義務者】  〇市〇町〇丁目0番0号、乙(受益者)

登録免許税は20/1000となります。

 

 

そもそもこの『委付(いふ)』とは、なんでしょうか?

 

委付とは、 イメージとしては例えば、委託者が資金調達のため受託者をして不動産を売却できるように設定している信託で、 その売却が困難なために資金が足りなくなり、委託者が受託考から融資を受けた場合に、この借入の返済に代えて、委託者の一方的意思表示により信託財産を受託者の固有財産とすることによって債務を免れようとするような場合のことをいいます。 つまり委付は、委託者の一方的行為ということですが、委付によって委託者が債務を免れるためには、あらかじめ当事者間にその旨の契約がなされている必要があります。(委付という法律用語は民法には存在せず、 昭和17年2月8日付民甲第271号民事局長回答で使用してしています。委付によって受託者の固有財産とする場合は、信託法22条1項但書による裁判所の許可を要しないとする回答出ています。昭和41年12月13日付け民甲第3615号民事局長回答。)

上記からすると、『委付』のニュアンスは「困ったときに委託者側が取りうる手段」という位置づけになろうかと思います。

 

信託財産引継ぎの登記について

一方で、「信託財産引継ぎ」を原因とする登記はどのような場合に行うかというと……

 

少し文章が長くなってしまったので、次回に続けたいと思います。

 

 

司法書士法人海埜事務所
メール umino@umino-legal.jp
住所 〒182-0026 調布市小島町3−66−1モンレーヴ調布501
受付時間 平日9:00~16:00
主な対応エリア
調布市、狛江市、府中市、三鷹市、稲城市などの多摩地域が中心です。
ご相談により東京都内、神奈川県、埼玉県内のお客様もいらっしゃいます。

TOP