遺産分割協議に参加すべき人。参加できない人。

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遺産分割協議に参加すべき人。参加できない人。

司法書士うみのブログ

2018/12/16 遺産分割協議に参加すべき人。参加できない人。

こんにちは。

司法書士海埜です。

今日から数回にわけて、遺産分割協議についてまとめていこうと思います。

 

遺産分割は必ず「全員の」合意が必要

民法907条では、法定相続人が複数いる場合、共同相続人は、遺言で禁じられた場合を除き相続開始後いつでも、その協議で遺産の分割をすることができるとされています。
これが有効な分割となるためには、分割内容について共同相続人全員が合意することが必要です。「全員」ということなので、包括受遺者(民法990条)、 相続分譲受人(民法905条)がいる場合はその者も含まれます。 1人でも反対者がいる場合は、有効な協議分割はできません。その場合はさらに協議を継続し、合意する見通しが立たなければ、遺産分割の調停または審判の申立てを検討することになります。

 

相続放棄者は参加できない。

遺産分割協議の当事者についてはいくつか注意点があります。
まず相続放棄の意思を家庭裁判所に申述した者は、最初から相続人とならなかったものとみなされるので(民法939条)、遺産分割協議の当事者にはなりません。

これに対し、放棄の意思はあるが、裁判所の手続を経ずに3か月経過した場合など、事実上の放棄である場合は、遺産分割協議をする際に無視することはできません。 このような場合、その者も遺産分割協議の当事者に含めて形ばかりの遺産分けをするという方法があります。もう1つは、

その者が
相続分のないことの証明書」を作成する方法が考えられます。 後者の方法は、その書類作成者が遺産全体を把握している状態で作らないと、あとから争いになる可能性があるので注意が必要です。

 

胎児の分割協議

次に相続発生時に被相続人の配偶者が妊娠中であった場合、 胎児が相続人となりますが(民法886条)、 この場合は、遺産分割協議への参加方法が開題となります。双子の可能性や、死産のおそれを考えると、法定代理人によっても出産前に遺産分割協議をすることは困難と考えられます。なので胎児の分割協議は、出産まで待って未成年者の法定代理人により行うこととなります。

 

勘当された相続人など

相続人全員の合意が必要ですから、行方不明の相続人、 判断能力がない相続人も、所定の手当てをして遺産分割協議に参加させる必要があります。

また「勘当された」相続人であっても、相続人廃除の手続きをとっていなければ相続人になりますので、なんとか連絡をとって、分割協議に参加してもらう必要があります。

 

次回は遺産分割協議の内容についてのルールを説明します。

 

 

 

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