株式会社の目的に「銀行業」を追加する変更登記について

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株式会社の目的に「銀行業」を追加する変更登記について

司法書士うみのブログ

2018/11/22 株式会社の目的に「銀行業」を追加する変更登記について

こんにちは。

司法書士海埜です。

今日は株式会社の目的変更で、「銀行業」という文言を追加できるかという論点です。

一般の方で実際に銀行業を開始しようとする人はそんなにいないと思いますが、条件さえ整えばネット上でも運営できるサービスではありますよね。

また私の知人でも、海外の人脈を利用していわゆるタックスヘイブンと呼ばれる地域に銀行を作り、そこに富裕層の資金を呼び込む動きをしている人達も普通にいます。

そういう人を目の当たりにしていると、「銀行業」も特別敷居の高いジャンルではないように思えてきます。

 

 

さて通常、会社の事業目的は、日本語として意味が通じる内容であれば登記できます。「IT」「ECサイト」などローマ字が入ったビジネス用語もまったく問題ありません。

ただ銀行業については、一般個人が好きな時に開業できるわけではなく、行政のチェックがなければ成り立たない事業であることから、好き勝手に「銀行業」を目的に盛り込んでいいのか?という点が問題なのです。

これについては民事局からの回答が出ています。(登記研究848を参照しています)

 

〔要旨〕

株式会社の目的に「銀行業」を追加する変更登記申請は、当該会社の資本金の額が銀行法に定める最低資本金の額に満たない場合を除き、受理して差し支えない。
また、当該会社から「銀行」という文字を使川した商号への変更登記申請がされた場合には、銀行業免許を取得することが確実であるかを確認するために、商業登記法第19条の類椎適用により、予備審査が終了したことを証する書面を添付させる必要がある。(昭和 31年11月15日付け民事甲第2633号、平成13年12月25日付法務省民商第3126号参照)

 

これを簡単にまとめると、目的変更の場合は、最低資本金のバーを越えていなければ受理されず、

商号変更の場合は、予備審査を通っていなければ受理されない、という内容です。

確かに銀行としての実態がないのに「○○銀行」という名前で営業されたら誤解を招きますね。

またある程度ハードルを設けることによって、銀行の乱立を防ぎ、マネーロンダリングを防止する目的もあると思います。

 

 

「銀行業」以外で、このように追加の添付書面を求められることはほとんどありません。

例えば「古物商」「古物の売買」を目的に入れる会社さんは多いですが、実際に古物営業の許可を得ている証拠となる資料は、登記では不要です。

 

 

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