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信託口口座を開設できる銀行が少ない現状について
こんにちは。
司法書士海埜です。
今日は、家族信託において、信託された現金を管理する方法についてです。
まず信託財産となる預貯金を受託者が託されたときこれを分別管理する方法として①受託者の預金口座での混合管理、②受託者の別口の預金口座での分別管理、③受託者の信託口口座での分別管理が考えられます。
別口預金口座において管理するメリットとして、受託者は帳縛等の作成、保管義務について、通帳や明細データを利用するこ とでこれらの義務を遂行しやすくなります。
しかし金融機関の口座の場合、名寄せされて受託者のほうの強制執行や相続財産への組み入れ等に巻き込まれるリスクが残ることが問題としてあります。
このリスクを回避するために、現金で管理する方法も考えられますが(金庫等で現金を管理する方法)受託者の心理的な負担感は大きいでしょう。
従ってやはり、信託口口座での管理が望ましいことは確かなのです。しかし、金融機関が信託口口座開設を拒否したり、「信託口」などの名称を付して開設したとしても実態は倒産隔離機能がない場合があるということは、専門家の間では常識となっています。このような場合は、受託者個人名義で名寄せされてしまう可能性が高いことになります。
金融機関が信託口口座を開設できないとしても、受託者名義で開設した口座が信託財産であると証明されれば、金融機関はこれを、信託法上の倒産隔離機能がある口座として取り扱わなければないはずですよね(あくまで証明されればということですが)。
従って金融機関は信託契約書等の情報開示を受けて、委託者、受益者が反社会的勢力でないことの確認を行ったうえで信託口座として認識して口座を開設、管理し、預金者である受託者に支払うようにすれば、金融機関としての義務は十分に尽くしていると考えるべきなのではないでしょうか。このあたりの解釈・考え方が実務的にまだ定着していないため、各金融機関はまだまだ信託に尻込みしている様子です。金融機関は、信託が今後ますます普及すれば、否応なく対応していかなければならないでしょう。
万が一名寄せによって、信託財産が、強制執行されたり、相続財産に組み入れられてしまったら、最後は訴訟で決着をつけることになろうかと思いますが、この点についての判例もまだないのが信託の世界なのです。理論より先に実務が先行している感は否めませんが、我々としてはこの点十分にクライアントに対して説明する義務があるでしょう。
24/05/16
24/04/25
24/04/07
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こんにちは。
司法書士海埜です。
今日は、家族信託において、信託された現金を管理する方法についてです。
信託現金の管理方法
まず信託財産となる預貯金を受託者が託されたときこれを分別管理する方法として①受託者の預金口座での混合管理、②受託者の別口の預金口座での分別管理、③受託者の信託口口座での分別管理が考えられます。
別口預金口座において管理するメリットとして、受託者は帳縛等の作成、保管義務について、通帳や明細データを利用するこ とでこれらの義務を遂行しやすくなります。
しかし金融機関の口座の場合、名寄せされて受託者のほうの強制執行や相続財産への組み入れ等に巻き込まれるリスクが残ることが問題としてあります。
このリスクを回避するために、現金で管理する方法も考えられますが(金庫等で現金を管理する方法)受託者の心理的な負担感は大きいでしょう。
信託口口座が作りにくい現状について
従ってやはり、信託口口座での管理が望ましいことは確かなのです。しかし、金融機関が信託口口座開設を拒否したり、「信託口」などの名称を付して開設したとしても実態は倒産隔離機能がない場合があるということは、専門家の間では常識となっています。このような場合は、受託者個人名義で名寄せされてしまう可能性が高いことになります。
金融機関が信託口口座を開設できないとしても、受託者名義で開設した口座が信託財産であると証明されれば、金融機関はこれを、信託法上の倒産隔離機能がある口座として取り扱わなければないはずですよね(あくまで証明されればということですが)。
従って金融機関は信託契約書等の情報開示を受けて、委託者、受益者が反社会的勢力でないことの確認を行ったうえで信託口座として認識して口座を開設、管理し、預金者である受託者に支払うようにすれば、金融機関としての義務は十分に尽くしていると考えるべきなのではないでしょうか。このあたりの解釈・考え方が実務的にまだ定着していないため、各金融機関はまだまだ信託に尻込みしている様子です。金融機関は、信託が今後ますます普及すれば、否応なく対応していかなければならないでしょう。
万が一名寄せによって、信託財産が、強制執行されたり、相続財産に組み入れられてしまったら、最後は訴訟で決着をつけることになろうかと思いますが、この点についての判例もまだないのが信託の世界なのです。理論より先に実務が先行している感は否めませんが、我々としてはこの点十分にクライアントに対して説明する義務があるでしょう。
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