限定承認か、相続放棄か

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限定承認か、相続放棄か

司法書士うみのブログ

2018/10/24 限定承認か、相続放棄か

こんにちは。

司法書士海埜です。

 

例えば、亡くなった親御さんが金融機関からの融資を受けていたり、連帯保証人になっているなどの場合、相続人は不安を感じますよね。

相続財産のうち、プラスの財産が負債よりも多いのか、あるいは債務超過なのかはっきりしない時には、限定承認という方法があります。

本来、相続人は被相続人が有していた債務を一切承継するのが原則ですが、限定承認は、相続人が相続財産を限度とした有限責任を負うという相続のしかたです

相続財産が債務超過であるかどうかは、清算してみなければ不明な場合が多く、相続放棄によって一切の財産を承継しないとするよりも、限定承認のほうが相続人に利益になる場合があります。

 

ただ限定承認は全国でも年間1000件程度しか申立て件数がないと言われており、一部の専門家からは「あまり利用するメリットがない制度」とも言われているようです。

これは限定承認と並んで規定されている相続放棄のほうが、手続上圧倒的にシンプルで分かりやすく、かつ債権者とのやりとりもしなくて済むので、利用しやすいことが理由としてあるだろうと思います。

 

しかし限定承認の手続きが全く役に立たないわけではありません。

相続放棄ができない(やりにくい)個別の事情があれば、限定承認も実行の意味がありますし、弊事務所でも取り扱いの例があります。

 

どのような場合かというと…

第一順位の相続人が相続放棄してしまうと、次順位の相続人に相続債権債務が帰属してしまいますよね。

だから一般的には、関係相続人全員に相続放棄を行っていただかなければ手続きが終わりません。

この時、どうしても次順位の相続人に連絡が取れない(あるいは取りたくない)という場合には、限定承認を検討してもいいと思います。

 

 

 

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