高齢者の意思確認の難しさ。

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高齢者の意思確認の難しさ。

2020/09/29 高齢者の意思確認の難しさ。

 

こんにちは

司法書士海埜です。

 

 

さて今日は家族信託でご質問が多い意思確認についてです。

司法書士は、業務において本人確認及び意思確認を間違いなく行うことを要求されていますが、高齢者の意思確認は最近本当に難しいと感じています。

トラブルを回避するため、ご高齢の方からの委任は受けないと決めている司法書士もいるくらい、リスクが高いと考えられています。

リスクというのは、あとで親族等から意思無能力を主張され、責任を問われるリスクですね。

以前、高齢の男性にお会いしました。

本当にお元気な男性で、自分が所有する収益物件のお話しを、にこにこしながらなさっていました。しかしあとでご親族からお聞きしたところ、この男性はそのような物件は実際には所有しておらず、まったく架空の物件について滔々とお話しされていたのだと知らされるに至って、お元気とばかり思っていた私はぞっとしてしまいました。

 

 

「高齢者の意思能力」というのが、いったい何を指すのか、どういった基準をクリアすればいいのかについて

「個々の法律行為ごとにその難易、重大性なども考慮して、行為の結果を正しく認識できてたかどうかということを中心に判断されるべき」とする裁判例があります(東京地判平成17.9.29)。

結果を認識できているということは、例えば民事信託、家族信託でいえば、財産のおおかたの所有権が子などに移ってしまうという法律効果が覚知できている状態であり、加えて自分自身は受益権という権利を得るということもわかっている状態、ということになると思います。

このことは、残念ながら100%客観的に明らかに証明することができないと個人的には思っています。

 

家族信託に限って言えば、公証役場でちゃんと公証人からの質問に答えられるか、というところが一つのポイントというか、ご本人にとってはハードルになるかもしれません。

公証人から、次のように投げかけられることがあります。

「ご住所とお名前をおっしゃって下さい。」

「(住所を忘れたときに)じゃあ、最寄り駅はわかりますか?」

「生年月日と干支を教えてください。」

「今日の手続きは、どんな内容ですか?」

「財産の権利が、お子さんに移ってしまいますが、その点は理解されていますか」

「土地建物は、もし売却されても構いませんか?」

これらの質問に、はっきり答えられることが一応の目安になるかと思います。

ただ上記はあくまでも一例ですし、また答えに詰まったからといって、直ちに手続きがダメになるというわけでもありませんので、自然体で臨んで頂ければと思います。

 

 

 

 

 

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