「受領書実行」ということ。不動産登記とお金の関係について。

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「受領書実行」ということ。不動産登記とお金の関係について。

司法書士うみのブログ

2020/02/07 「受領書実行」ということ。不動産登記とお金の関係について。

 

こんにちは。
司法書士海埜です。
今日は少し専門的な内容というか、業界用語?的なものになります。
「受領書実行」という言葉についてです。
受領書実行の意味がわかっていないと、司法書士はじめ不動産取引に関わる関係者全員が困ったことになりますので、今日は補助者向けに初心に返って解説します。

 

「受領書」とは、登記申請のときに法務局受付窓口で発行してもらえる書類で、当該申請の受付日と受付番号を明らかにして、申請が確かに受付られたことを証明するものです。
受領書の発行を希望するときは、申請書のコピーを一部用意して、申請書と同時に窓口に出しつつ「受領書をお願いします」と申し出れば、そのコピーに受付番号などのシールが貼られ受領書としてその場で戻ってきます。
(オンライン申請の場合は「受付のお知らせ」画面が受領書の代わりになります)

 

 

申請にかかる不動産に抵当権をつける金融機関は、この「受領書」が司法書士からFAXで送られてくるのを待って、融資を実行することがあります。
この融資実行方法を、「受領書実行」と呼ぶのです。

 

(受領書実行以外の実行方法では、契約当事者全員が一堂に会して立会決済を行い、司法書士が書類を確認したことをもって、融資実行することもあります。不動産取引では、こちらのほうがむしろ一般的で取引の基本型となります。)

 

受領書実行のいいところは、立会決済と違って、当事者全員の日程調整が不要になるという点で、例えば新築マンションの一斉引渡など取引件数が多い案件ではむしろ受領書実行でなければ都合が悪いということになります。

 

しかし受領書実行の場合、司法書士にとってはハードな部分があります。
それは、実行予定日の遅くとも前日までにはすべての書類を手元に集めておかなければならない、という点です。
融資実行というのは、スムーズに客先に着金するよう、普通は朝のうちに行うものです、午後からゆっくりやるようなケースは稀です。
そして受領書実行の場合、金融機関は受領書を見てから融資金額を流すわけですから、当然午前中のはやいうちに司法書士は登記申請を終わらせなければなりません、
そうするとやはり、前日までには書類を完璧にしておく必要があるということなんですね。

 

この点を理解していない関係者は意外と多くいまして、若い不動産営業の方とお仕事するときは、司法書士側は実行方法によくよく注意する必要があります。
てっきり立会だと思っていたのに、受領書実行で決済が組まれているといったことが実際にあり得ます。
そのままいくと、朝一の登記申請はしませんから、実行されるはずの融資は当日実行されずに
決済は流れ、融資先だった顧客は諸々の代金を支払えず、したがって売主は予期していた入金を得られず、結果司法書士は取引先の信頼を失うでしょう。
仕事に慣れるほど確認が大切ですね。

 

 

 

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