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受託者は2名以上でもOKでしょうか?共同受託についての疑問。
こんにちは。
司法書士海埜です。
家族信託を組成する際に、受託者を複数置く場合があります。
特に多いのが第一受託者と第二受託者を定めて長期の信託事務に備えるやり方です。
これに対して、第一・第二という先後関係を設定せずに、複数名受託者を同時に置く(共同受託)こともできます。
今回はこの共同受託についてです。
正確には、共有ではなく「合有」と考えられています。(信託法79条)
旧信託法24条では、原則として受託者全員共同での処分行為が要求されていました。
そして登記申請についても受託者全員共同で申請しなければならないとされていました。
これに対して現在の信託法では、80条3項で「各受託者は…信託事務を執行することができる」とされています。ただしそれ以前の意思決定については、共同受託者の過半数で決するとされています(信託法80条)。
そうです。
例えば共同受託者Aが死亡した場合、75条1項によって当然に共同受託者Bが受託者となります。
何も定めがなければAの相続人(妻子など)に受託者の地位が相続されてしまいそうですが、共同受託ではそもそも相続すべき「持分」の概念がないと考えられています。
登記的にはざっくりこのような↓形式の申請です。
登記の目的 ●番合有登記名義人変更
登記の原因 令和●年●月●日受託者●●任務終了
登録免許税は非課税(登録免許税法7条1項3号)
法56条の7に基づいて、契約で定めればできると思います。
共同の場合、受託者の過半数をもって意思決定するので(信託法80条)、2人の意見が違うときは膠着状態になることがあり得ます。これを回避するには、受託者を3名等にするか、やはり第一・第二受託者とするかです。
しかし第一・第二受託者とした場合、第一受託者が死亡するなどして初めて第二受託者の出番がくるということになり、それぞれの負担が大きいかもしれません。
24/05/16
24/04/25
24/04/07
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こんにちは。
司法書士海埜です。
家族信託を組成する際に、受託者を複数置く場合があります。
特に多いのが第一受託者と第二受託者を定めて長期の信託事務に備えるやり方です。
これに対して、第一・第二という先後関係を設定せずに、複数名受託者を同時に置く(共同受託)こともできます。
今回はこの共同受託についてです。
Q1 共同受託はつまり管理権の「共有」という考え方でしょうか。
正確には、共有ではなく「合有」と考えられています。(信託法79条)
Q2 もし将来自宅を売却する場合は、共同受託者全員の同意がなければ売却できない、また書類としても全員の実印、印鑑証明書が必要になりますか?
旧信託法24条では、原則として受託者全員共同での処分行為が要求されていました。
そして登記申請についても受託者全員共同で申請しなければならないとされていました。
これに対して現在の信託法では、80条3項で「各受託者は…信託事務を執行することができる」とされています。ただしそれ以前の意思決定については、共同受託者の過半数で決するとされています(信託法80条)。
Q3 もし共同受託者二人うち一人が亡くなった場合、単純に生存しているもうひとりが単独で受託者になるのでしょうか。
そうです。
例えば共同受託者Aが死亡した場合、75条1項によって当然に共同受託者Bが受託者となります。
何も定めがなければAの相続人(妻子など)に受託者の地位が相続されてしまいそうですが、共同受託ではそもそも相続すべき「持分」の概念がないと考えられています。
Q4 その場合、受託者死亡による変更登記を行う、ということでよろいしでしょうか。
そうです。
登記的にはざっくりこのような↓形式の申請です。
登記の目的 ●番合有登記名義人変更
登記の原因 令和●年●月●日受託者●●任務終了
登録免許税は非課税(登録免許税法7条1項3号)
Q5 仮に共同受託者Aが事故等で意識不明な状態になってしまった場合、売買ができなくなってしまうと思いますが、健常者である共同受託者Bが、Bの判断で「兄は受託者として任務を遂行できない」と判断すればAを受託者から解任することができるでしょうか。
法56条の7に基づいて、契約で定めればできると思います。
Q6 「当初受託者と第二受託者を設定する」パターンと「共同で受託者とする」パターンのメリット、デメリットを教えて下さい。
共同の場合、受託者の過半数をもって意思決定するので(信託法80条)、2人の意見が違うときは膠着状態になることがあり得ます。これを回避するには、受託者を3名等にするか、やはり第一・第二受託者とするかです。
しかし第一・第二受託者とした場合、第一受託者が死亡するなどして初めて第二受託者の出番がくるということになり、それぞれの負担が大きいかもしれません。
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