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信託財産の処分による所有権移転+信託登記抹消の、抹消分登記費用について。
こんにちは。 司法書士海埜です。 2年ほど前に、家族信託で信託登記を行ったお客様(受託者)から、当該物件の売却決済依頼があり、つい先日無事に登記が完了しました。 委託者存命中に売却に踏み切り、不動産を現金化できた実例になります。 今後受託者は、売却によって得た現金を、委託者のために管理していくことになります。
こういったケースでは、①売買による所有権移転登記と、②信託財産処分による信託登記抹消を申請することになります。①②は1件の申請で、同一の申請書によって行います。 不動産決済に慣れた人だと、このあたりで「?」が出るかもしれません。 というのは普通、例えば抵当権抹消登記と所有権移転登記を行う場合、これらは2連件の申請となるのであって、同一の申請書に記載することはできませんよね(「連件」というのは「連件申請」を縮めた表現で、数件をひとまとまりの申請とし、間に他の申請を入れさせない申請方法を指します)。 けれども、信託登記抹消に関しては、所有権移転登記と合わせて1件で行うのです。 ちなみに信託財産処分の申請書の冒頭はざっくり以下のような形です。 登記の目的
所有権移転及び信託登記抹消 登記の原因
所有権移転 年月日売買
信託登記抹消 信託財産の処分
ここで事務的なレベルの問題になります。
信託抹消の費用は売主買主のどちらが負担すべきかという点です。
前述のような通常の決済で、抵当権抹消登記と所有権移転登記を行う場合、抵当権抹消登記にかかる費用(登録免許税などの実費及び司法書士報酬)は売主が負担します。くっついている担保を外して、きれいにして買主に引渡すのは、売主がやるべきことだからです。(所有権移転登記のほうは買主負担です。)
それでは、信託登記の抹消についてはどうでしょうか?これも売主(=信託の受託者)が負担するべきでしょうか。物件をきれいにするという意味では、信託登記の抹消も、抵当権抹消と同様にとらえることができるのかもしれません。
しかしそれでは、なぜそもそも①売買による所有権移転登記と、②信託財産処分による信託登記抹消は1件の申請で、同一の申請書によって行わなければならないのでしょうか。その立法の趣旨はなんでしょう。 それはやはり、所有権移転によって当該物件が信託財産から外れるという流れがあるからですよね。つまり①が起こったから②が起こるという因果関係がありますよね。もっと言えば買主が買うから信託が消えるということで、買主が抹消の原因を作っていますね。 (これに対して、通常の抵当権抹消と所有権移転のあいだには、そのような論理的因果関係は一切ありません。完済したから抹消するんだし、売買があったから所有権移転するのであって、それぞれ別個の現象です。もちろん資金的には売却代金で抹消するという流れはありますけども、それも必然ではないです)。 そうすると、信託抹消費用も所有権移転と合わせて買主が費用負担して不合理というわけではないはずです。
もうひとつ実際的な問題として、①売買による所有権移転登記と、②信託財産処分による信託登記抹消を行う場合、②だけの司法書士報酬を分けて算出することができないという事情があります。
なぜなら、①②の添付書類は相互に兼ねていて同一のものだからです。
24/05/16
24/04/25
24/04/07
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こんにちは。
司法書士海埜です。
2年ほど前に、家族信託で信託登記を行ったお客様(受託者)から、当該物件の売却決済依頼があり、つい先日無事に登記が完了しました。
委託者存命中に売却に踏み切り、不動産を現金化できた実例になります。
今後受託者は、売却によって得た現金を、委託者のために管理していくことになります。
信託財産処分の登記
こういったケースでは、①売買による所有権移転登記と、②信託財産処分による信託登記抹消を申請することになります。①②は1件の申請で、同一の申請書によって行います。
不動産決済に慣れた人だと、このあたりで「?」が出るかもしれません。
というのは普通、例えば抵当権抹消登記と所有権移転登記を行う場合、これらは2連件の申請となるのであって、同一の申請書に記載することはできませんよね(「連件」というのは「連件申請」を縮めた表現で、数件をひとまとまりの申請とし、間に他の申請を入れさせない申請方法を指します)。
けれども、信託登記抹消に関しては、所有権移転登記と合わせて1件で行うのです。
ちなみに信託財産処分の申請書の冒頭はざっくり以下のような形です。
登記の目的
所有権移転及び信託登記抹消
登記の原因
所有権移転 年月日売買
信託登記抹消 信託財産の処分
登記費用負担について
ここで事務的なレベルの問題になります。
信託抹消の費用は売主買主のどちらが負担すべきかという点です。
前述のような通常の決済で、抵当権抹消登記と所有権移転登記を行う場合、抵当権抹消登記にかかる費用(登録免許税などの実費及び司法書士報酬)は売主が負担します。くっついている担保を外して、きれいにして買主に引渡すのは、売主がやるべきことだからです。(所有権移転登記のほうは買主負担です。)
それでは、信託登記の抹消についてはどうでしょうか?これも売主(=信託の受託者)が負担するべきでしょうか。物件をきれいにするという意味では、信託登記の抹消も、抵当権抹消と同様にとらえることができるのかもしれません。
しかしそれでは、なぜそもそも①売買による所有権移転登記と、②信託財産処分による信託登記抹消は1件の申請で、同一の申請書によって行わなければならないのでしょうか。その立法の趣旨はなんでしょう。
それはやはり、所有権移転によって当該物件が信託財産から外れるという流れがあるからですよね。つまり①が起こったから②が起こるという因果関係がありますよね。もっと言えば買主が買うから信託が消えるということで、買主が抹消の原因を作っていますね。
(これに対して、通常の抵当権抹消と所有権移転のあいだには、そのような論理的因果関係は一切ありません。完済したから抹消するんだし、売買があったから所有権移転するのであって、それぞれ別個の現象です。もちろん資金的には売却代金で抹消するという流れはありますけども、それも必然ではないです)。
そうすると、信託抹消費用も所有権移転と合わせて買主が費用負担して不合理というわけではないはずです。
司法書士報酬を分けて計算できない
もうひとつ実際的な問題として、①売買による所有権移転登記と、②信託財産処分による信託登記抹消を行う場合、②だけの司法書士報酬を分けて算出することができないという事情があります。
なぜなら、①②の添付書類は相互に兼ねていて同一のものだからです。
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