みなし解散の会社は放置?清算結了登記の必要は?

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みなし解散の会社は放置?清算結了登記の必要は?

司法書士うみのブログ

2019/02/17 みなし解散の会社は放置?清算結了登記の必要は?

こんにちは。

司法書士海埜です。

先日、ある会社の登記情報を取得したところ、ちょっと様子がおかしい…。役員欄には監査役のみが登記されており、取締役の記載はありません。そして登記情報の下の方に、「会社法472条1項による解散」とありました。

 

 

みなし解散

会社法472条1項には、実は次のような定めがあります。

「休眠会社(株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。」

おおざっぱにまとめると、12年間登記を行っていない株式会社は、国が解散の登記を入れますよということです。これを「みなし解散」と呼ぶことがあります。

 

3年経過後に、勝手に清算結了になるわけではない。

そして『解散したものとみなされる日(つまり休眠会社整理の官報公告があった日の2ヶ月後)から3年後』になると、『総会決議による会社継続ができなくな』ります(会社法473条)。

このことは、職権で勝手に清算結了になる、ということを意味しません。
つまり清算結了以外に進むべき道がなくなるだけで、放っておけば清算結了の登記がされて、会社の登記簿が閉鎖されるわけではありません。

 

みなし解散のまま、放置するとどうなるか。

それでは職権でみなし解散登記がされたまま、清算結了せずに登記を放置した場合、どうなるでしょうか。

この点については、商業登記規則81条1項1号に定めがあります。

 

「次に掲げる場合には、登記官は、当該登記記録を閉鎖することができる。

一 解散の登記をした後十年を経過したとき。
二 省略」

 

この規定によれば、会社が消滅するのは『みなし解散の登記がされた後、10年を経過したとき』ということになります。
しかし商業登記規則81条1項1号は、あくまで閉鎖することが『できる』としているだけで、登記官が必ず閉鎖しなければならないということは書いていません。
また商業登記規則81条1項1号により登記記録が閉鎖されたあとでも、清算結了が未了であれば、その会社の申し出によって清算会社として登記記録を復活させることができるとされています(同条3項)。

だから、10年間放っておけば会社の登記簿が閉鎖される可能性は高いものの、

能動的に、登記簿を確実に閉鎖したいと思ったら、清算結了登記を申請することが必要ということになるでしょう。

 

 

このようなみなし解散がらみの事例は、相続関係の調査にともなって出てくることが多いです。「亡くなった父が昔経営していた会社がみなし解散になっている」などのケースです。今回こちらに舞い込んだ会社謄本も、相続に関係してのご相談でした。

どうしたらいいかわからないという場合は、ぜひ専門家に相談して下さい。

 

 

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