裁判「損得の吟味」

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裁判「損得の吟味」

2019/02/15 裁判「損得の吟味」

こんにちは。

司法書士海埜です。

「お金を返してほしい」「損害の埋め合わせをしてほしい」など要求があるときのために、裁判手続きが用意されていますよね。でも「許せない」「あいつを凝らしめてやりたい」といった感情に任せて突っ走ると、却って費用倒れになり、こんなはずではなかった…ということにもなり兼ねません。

 

 

裁判は昔からお金がかかるといわれていますよね。

従って裁判も商売と同じなのです。

どういうことかというと、徹底して「損か得か?」で考えるべきだということなのです。

例えばAがBに対して100万円を貸し付けたのに、Bは貸金を返してくれないとします。

この場合Aが100万円を回収するのに、100万円の費用がかかったのではなんにもならないですよね。

でも、100万円を回収するのに10万円の費用で済むなら、それは有利だということになります。

 

 

民事訴訟を起こすときは、「損か得か」を冷静に、見極めなければならなりません。

Bにいくら請求してもお金を返してくれない。

この場合Aは100万円の権利を持っていると言えるでしょうか。

確かに法律上の債権を持っていることに間違いはありません。でもその債権は、Bが支払ってくれて初めて100万円の価値があるのです。払ってくれなければ、価値はゼロです。

 

このあたりの捉え方を、「私はBに対して100万円の権利を持っている」と考えている人は、訴訟費用を支払うことを非常に嫌がります。100万円を回収して、その中から20万円を訴訟費用として支払うことを、「損した」と考えてしまいます。なぜなら、「自分のBに対する債権は100万円分の価値がある」と思い込んでいるからです。

でも、考えてみて下さい。

訴訟を起こさなければ、借用書の価値はゼロだったのに、訴訟によって80万円が生み出されたと捉えれば、880万円得したことになりませんか?

 

これを「考え方の問題だ」として省みない人もいます。でも債権や債務というのは、そもそもが単なる「概念」なのであって、はっきり表現すれば「幻想」とも言えます。

訴訟を検討する際には現実的な目線が必要だと思います。

 

 

 

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