勘当された人の戸籍(廃除との違い)

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勘当された人の戸籍(廃除との違い)

2018/11/09 勘当された人の戸籍(廃除との違い)

 

こんにちは。
司法書士海埜です。
先日のご相談で、社長だった親が亡くなり、兄弟3人が法定相続人になるが、そのうちの一人が「勘当されている」というお話がありました。

 

勘当とは?

勘当という言葉は古風ではありますがよく使用されていますよね。
ちなみにWikipediaで調べてみると「 勘当(かんどう)は日本の風習で、親が子に対して親子の縁を切ること。」とあります。
勘当された子には相続権がないと考える方が多いようですが、それは誤りです。勘当された子も、相変わらず法定相続人のままです。もちろん戸籍にも記載されません。勘当というのは一般用語で、民法上の根拠がない、いわば昔からの慣習にすぎないのです。

 

勘当と同時に廃除した場合

このように勘当だけでは相続権は奪えませんが、これとは別に「相続人廃除の手続き」を親が行っていれば、廃除された者は相続人になりません。
「廃除」は勘当と違って、民法で定められた法律行為です。

民法第892条     遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。

この条文から解るとおり、「虐待」「重大な侮辱」「著しい非行」があったことが裁判所に認めてもらえれば廃除が可能になります。

 

特定の相続人が廃除されているかどうかは、その相続人の戸籍を見れば判明します(被相続人の戸籍のほうには記載されません)。私自身は、司法書士になっておよそ11年の経験の中で、この「廃除」の記載がある戸籍を実際に目にしたことが一度もありませんので、おそらくは廃除を利用する方が少ないのだろうと思います。

 

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