家族信託。受益権とは、いったい何なのか?

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家族信託。受益権とは、いったい何なのか?

司法書士うみのブログ

2018/10/25 家族信託。受益権とは、いったい何なのか?

こんにちは。

司法書士海埜です。

 

 

「受益権は所有権とは違うのですか?」というご質問を頻繁に頂きます。

特に家族信託では、所有権は形式的に「受託者に」移転するということになっていますので

それでは受益者側に残っている「受益権」とはいったいどういう権利なのか?が不思議に思われるのは当然のことだと思います。

贈与でも売買でもない「信託」の特殊性がこの点にあります。

 

 

まず受益者が受託者に対して、給付を求めることができるという権利は、すぐに思い浮かびますよね。

また単に受託者に対して財産的給付を求める以外に、受益者のさまざまな権利を包含しているのが受益権です。

受益権という権利は、複合的な権利なんです。

 

 

 

例えば…

・受託者に不正行為又は重大な法令違反・契約違反があるとき、裁判所に対し、調査のため検査役の選任の申立てをすることができます(信託法461項)

・信託財産に対しては、強制執行、仮差押え、仮処分、競売又は国税滞納処分をすることが基本的にできないので、もしこのような侵害があった場合は異議を主張することができます。(信託法23-5)

・受託者の行為がその権限に属しない場合、その行為を取り消すことができます。(信託法27-1)

・受託者がその任務を怠ったことによって損失があったときは、受託者に対し、補填を求めることができます。(信託法40-1)

・信託財産を受託者自身の財産に帰属させたり、逆に受託者の財産を信託財産に帰属させた時や、受託者の財産だけで支払うべき債務のために、信託財産に担保権を設定するなど、受託者と受益者との利益が相反する時に、取り消しを求めることができます。(信託法31-6)

 

 

こういった受益者の諸々の権利を総称して「受益権」と呼んでいるのが、信託法の世界です。

 

 

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