法定後見人として、老人ホーム入居の手続きをしてきました。

こんにちは。

司法書士法人海埜事務所です。

先般、弊社が保佐人に就任したN様。

96歳で、夫に先立たれ、お一人暮らしになりました。

たびたび近所の社会福祉法人に行き、おしゃべりするのが大好きでしたが、近しい親戚はなく、日常のお買い物などは一人でやっていました。

しかし社会福祉法人のすすめで保佐開始の申立てをするあたりから、なんとなく言動が認知症的になっていきます。

「財布をなくしたから、交番に行って探してもらっている」と言いつつ、財布をいつも持っているキャリーバッグから取り出したり。

電気料金の督促に気づかず、電気を止められたり。

ほかにも、

何日もお風呂に入らない。

「ものを盗られた」と主張する。

テレビを最大音量で視聴する。

ゴミを放置し、虫が居室内に大量発生している。

など。

ご本人と何度か面談し、近所の老人ホームに入ることをおすすめし、なんとかコンセンサスを得ました。

入居のために事前健康診断にもお連れしました。

入居当日、お迎えに行ったところ、なんとご本人はお自宅にいませんでした。

保佐人に電話をかけてきて「今日はやっぱり老人ホームに行きたくない」とおっしゃる。

本来であれば、ここはご本人の意思を尊重したいところですが、

上記のとおり一人暮らしが限界にきていることは明白です。

保佐人、ケアマネジャー、ヘルパーの３人で、ご本人を説得し、どうにか施設までお連れしました。

ご本人の意向は大事にしたいところですが、今回ばかりは仕方がなかったと思います。