30年間、意思疎通できなかった祖父の話し。

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30年間、意思疎通できなかった祖父の話し。

2022/06/16 30年間、意思疎通できなかった祖父の話し。

 

 

こんにちは

司法書士海埜です。

 

最近、母方の祖父が亡くなりました。

94歳でした。

祖父は、64歳で突然脳梗塞を発症ました。

元気だったのですが、ある日、徘徊して行方不明になったので、家族全員が気づきました。

以来約30年というもの、祖父は第三者の介助がなければ日常生活が難しい状況で、ほんの少し回復したあとも、私たち孫との意思疎通もできない状態でした。

私が訪ねていくと、いつもぼーっと野球中継を観ていました。

野球中継のアナウンサーが度々テレビの中で叫びますが、祖父からのリアクションがないので、試合の内容を解って観ているのかは、はた目にはわかりませんでした。

 

 

祖父は、もともとは鉄工所に勤めていて、戦争でも手先の器用さを買われて工場に勤務したと聞いています。

私が小学校に上がるとき、古い机をリメイクして白く塗って、プレゼントしてくれたことをよく覚えています。

 

 

年を取ったあと、どのような生活になるかは、本当に人それぞれで予測がつきにくいです。

一族の傾向として「ガンになりやすい」「鬱になりやすい」などは言えるかもしれませんが、

しかし私の母方に脳梗塞が多いかといえば、この祖父一人しか該当する者がいないです。

 

 

当事務所が受託している家族信託実務は、「認知症対策」としての側面が強く、その目的で利用される方が大半です。

中には認知症を発症することなくお亡くなりになり、信託が終了することもあります。

特養などの施設で長く過ごされる方もいらっしゃいます。

また仮に認知症が発症しなくても、年を重ねることでお金や財産関係についての気力が落ちるというか、いい意味で執着心から解放され、あまり関心がなくなるようにも見受けられることがあります。

多くのお客様を観察していると、認知症になるかどうかに関わらず、適当な時期に財産の引継ぎを行うことが、やはり合理的だと思います。

 

 

 

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